第12回 SGHグローバルキャリア講演会を実施しました。

10月25日(木曜日)に本校201ホールにおいてグローバルキャリア講演会を実施しました。
今回は、多美智子氏(元東京藝術大学教授・同音楽学部附属音楽高等学校長)と尾川佳子氏(元日本航空客室乗務員、桜美林大学専任講師)をお招きし、音楽家のグローバルな活動を支える「音楽家・社会人としてのマナー」について、円滑にコミュニケーションを図るための知識・技術としてのマナーの在り方や、マナーを身につける意義を学ぶ講座を開催しました。

マナーの背景にある文化を知る

マナーは「挨拶に始まり挨拶に終わる」とよく言われるほど、日本ではお辞儀、欧米圏では握手がマナーの基本です。いずれも、相手への信頼を示したもので、お辞儀は「急所を見せる」、握手は「武器の不携帯」を意味し、文化の違いが形に現れています。マナーの本質はコミュニケーションをとる相手の文化を理解し、それを相応しい所作で示すことにあります。

マナーに関わる所作のポイント

お辞儀は手の位置によく注意をしてください。女性の場合は右手が下になるよう重ねてへその下の位置に置き、男性の場合は自然に体の横につけ、中指が膝の外につく位置まで手を動かすようにします。立ち姿勢は、かかとを合わせてつま先をこぶし一つ広げると綺麗に見えます。
握手は右手ですることが鉄則です。順序なども大切で、レディ・ファーストの精神で男性から手を差し出すことを心がけ、パーティなどでは手の交錯を避けることを意識するようにします。特に、レディ・ファーストは日本ではまだまだ馴染みが薄く、日頃から意識する必要があります。尾川先生からは英国滞在時に電車で出会った小学生から「女性として」席を譲られた体験談をお話しいただき、場内がその文化の違いに大きくどよめいていました。

演奏家としてマナーのポイント

TPOを弁えた清潔感ある身だしなみを意識するようにしてください。コンクールや演奏会の服装は、予選・本選等の段階の別や、出演の時間帯を意識してドレスの種類を選ぶなど気配りが必要です。
また、ステージ上のマナーについては、舞台を降りるときには女性に先を譲ることや、ピアノ椅子は腰を落とさずに調節すること、ピアノに座るときに客席から遠い側のドレスの裾を上げることなどが挙げられていました。

憧れられ、注目される人物として活躍するために

これから(あるいは既に)演奏家として注目を集める人物であることを自覚し、謙虚でいてもらいたいです。日本人は誇りと自惚れを混同しがちですが、他者から注目されることに誇りを持ち、相応しい行動を心がけましょう。社会に出れば一人ひとりの培って来た人となりが周囲からの印象を決めます。どこの国の誰とでも付き合っていくため、マナーの力を利用しましょう。