この報告は、東京藝術大学Webサイト内「GEIDAI×GLOBAL」にも掲載されています。
11月9日(木)13時より、本校201ホールにて、第8回SGHグローバルキャリア講演会を実施しました。
今回は、東京藝術大学グローバルサポートセンターの齋藤佐智江先生と横田揺子先生をお招きし、音楽家を志す学生の留学の状況や、その心構えについてお話しいただきました。
講演はいくつかの章立てで行われました。
1.「なぜ留学をするのか、どうやって留学場所を決めるのか」
藝大生の留学動機は「自分自身のスキルアップにつながるから」、「親の勧めや先輩が留学をしていたから」など人それぞれであり、習いたい先生をみつけて、その先生が所属している学校に進学すると目的が明確になって良いというアドバイスをいただきました。今は、高校生向けの特別講習会や来日中に行う演奏会などで海外の先生と知り合うことができるので、積極的にコンタクトを取ることが重要という説明が印象的でした。
2.「いつ留学するのがよいか」
大学に籍を残したまま(休学)の留学や、高校卒業してすぐの留学、大学卒業してからなど、留学のタイミングにも様々なパターンがあり、自分のキャリアプランに合った方法を選択できることを説明いただきました。また、フランス留学は専攻している楽器によって年齢制限がある場合が多く、その点も配慮して留学を考えたほうが良いというアドバイスがありました。
3.「語学はどれくらいできていればよいか」
それぞれの大学によってどのレベルまで達している学生を受け入れるかの基準があり、特に、イギリスは実技だけではなくて語学関係資格のスコアも重要視するので注意を要するということを教えていただきました。また、これから音楽家として活動する上では、留学する・しないに関わらず語学の理解が大切であり、邦楽の分野でも、海外公演などで世界へアピールしていく際に改めて必要性に気づかされる学生が多いというお話がありました。また、東京藝術大学の音声・言語トレーニングセンターには、諸外国ネイティヴスピーカーの先生方が在籍しており、レベルに合わせた講義を受け、言語習得を目指せることをご紹介いただきました。
4.「留学にかかる費用はどれくらいか」
地域や国によってその現状が大きく異なり、学費は20万円~300万円と非常に幅が広いことをお話しいただきました。また、学費だけではなく、家賃や生活費にも費用がかかるので、寮やルームシェアの利用による費用削減も一つの手段であることを教えていただきました。さらに、奨学金の制度についても、藝大や国の手がけるものだけでなく、留学先の大学が設けているものや国内の財団によるものなど、留学の形態ごとに制度が充実しており、積極的な情報収集と活用をお勧めいただきました。
講演会後には、各学年の生徒から留学に関する質問がいくつも続き、生徒自身が留学への漠然とした考えを整理し、海外で活躍する意義やそのために必要な行動力・語学力について考えるよい機会となったことが伺えました。